【名著解説】③嫌われる勇気/アドラー心理学 Part3

嫌われる勇気
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【名著解説】②嫌われる勇気/アドラー心理学 Part2
今回は「嫌われる勇気」の第2回目。前回は、目的論中心の解説で、すべての行動の裏側には隠れた目的が存在し、その目的を全ての人が達成しているというお話をさせていただきました。今回は、「劣等感」を中心に解説します。・健全な劣等感とは何か?・不健康な劣等感とは何か?・優越感とは何か?などが分かり、自己理解を深めることができ

「嫌われる勇気」を読んだのですが、
ぜんぜん理解できませんでした!!
分かりやすく解説してください!

 

嫌われる勇気の解説第3弾。

前回は劣等感が中心でしたが、

今回は「自由」を中心に
解説していきたいと思います。

 

この考え方を知るだけでも
人生はシンプルで楽になりますので、
ぜひ最後までお読みいただけたら幸いです。

 

自由

まず、アドラーの主張を解説する前に
簡単に「自由」について説明します。

アドラーではないのですが、
日本の哲学者、
苫野一徳先生が繰り返し述べている

「自由」と「自由の相互承認」の原則

が分かると今回のアドラーの話しも
理解しやすくなるかと思いますので
簡単にご説明します。

まず大前提として、
人は必ず「自由への願望」を持っています。

つまり、

「人は生きたいように生きたい」

という願望を
持っているということです。

これについて、
異論のある方は
いないのではないでしょうか。

ただ、これには問題があり、
この自由への願望があるゆえに、
私たちは争いや戦争などをずっと繰り返してきています

戦争や侵略などを通して
財産や領土を奪うのも
生きたいように生きた結果です。

また、いじめやケンカ、暴力なども
自分の自由を実現するための
手段と言えるでしょう。

ですので、自由だけだと
この世界はカオスなままであり
平和が訪れる事はありません。

だからこそ、自由だけではなく、
自由の相互承認」が必要だと
苫野先生は言っています。

つまり、

人が本来持つ自由を
お互いに尊重し合う

ということが必要だということです。

そうすることで、
個人の自由と平和を
共存させることができるのです。

これは苫野先生が
独自に考えたものではなく、
哲学の長い歴史を通して出された
原理・原則であるとのこと。

もちろんこの考え方には
批判もあるかもしれませんが、

私自身は、
この原則に従っていれば
個人の幸福はもちろん、
争いや戦争の問題もなく平和が実現する

とシンプルに考えています。

 

では、

生きたいように生きる

という自由を実現するためには
どうすればいいでしょうか?

 

その具体的な方法をアドラーは

アドラー先生
アドラー先生

・承認欲求の否定
・課題の分離

というシンプルな言葉で
分かりやすく示してくれているので
解説していきたいと思います。

 

 

承認欲求の否定

アドラーは、
他者から承認を
求めることを否定しています。

アドラー先生
アドラー先生

私たちは他人の期待を
満たすために生きているのでないと・・・

他人からの承認を求め、
それが人生の中心になると
それは「自分の人生」ではなく
他人の人生」を生きることになるからです。

 

世間体や見栄を
中心に生きている人は、

「他人からどう思われるか?」

を中心に生きていて、

「自分がどう生きたいか?」

ということを中心に生きられていません。

 

つまり、

「自分の生きたいように生きる」

ということができていないわけです。

その結果、何が生まれるかというと
多くの人が感じている「閉塞感」。

 

承認欲求を手放さない限り
自分の人生を生きることはできず、
他人に縛られているような感覚になります。

それによるストレスが蓄積すると
他人の自由をも奪うという
悪循環が出来上がるのです。

日本は「恥の文化」とも
言われることがあり、
他の民族に比べて

「他人からどう思われるか」

を過剰に気にする傾向があるので、
承認欲求が消せずに悩んでいる方は
多いのではないかと思います。

 

 

だからこそ、

アドラー先生
アドラー先生

「承認欲求を否定せよ」

とアドラーは言いますが、

「じゃあ、どうすればいいんだよ!」

と疑問を持った方も
いるのではないかと思います。

そこで、アドラーは

アドラー先生
アドラー先生

「課題の分離」

という言葉を使って
具体的な解決策を準備してくれています。

 

 

課題の分離

アドラーによると、

アドラー先生
アドラー先生

課題の分離」が出来ていれば
承認欲求の問題を克服し
自由に生きることができる

と言います。

全ての悩みは対人関係の問題であり、
そして対人関係のトラブルは全て、

アドラー先生
アドラー先生

・他人の課題に土足で踏み込むこと
・自分の課題に土足で踏み込まれること

によって起きるとのこと。

 

例えば、

・進路を決める
・仕事を決める
・結婚相手を決める
・人生の目標を決める

こういったことは全て

その人本人の課題であって、
親や友達など他人の課題ではありません。

 

こういった、
自分自身が向き合わなくては
ならない課題に、

他人が土足で入ってきたり、
自分が他人の課題に割り込んでしまうことで
問題が起きるのです。

 

世の親は、

 

・あなたのことが心配だから
・あなたのことを思って言っている
・あなたのために言っている

などと言いますが、

子どもの課題を
代わりに親が引き受けてしまうことで
問題が生じます。

 

・ああした方がいいよ
・こうした方がいいんじゃない?

などと、
子を想う愛情深い親のつもりでも
実際には子どもの課題に割り込み、
子どもの自主性や自立を
破壊しているにすぎないわけです。

 

では、どうすればいいかと言うと、

アドラー先生
アドラー先生

自分だけの課題に集中し、
他人の課題は一切切り捨てること

とアドラーは言います。

このように言うと
冷たい印象を
受けるかもしれませんが、
この考え方を実践することで

私たちは承認欲求の地獄から解放され、
自由に生きることができます。

あなたが自由に生きた結果、
相手があなたを批判してきたとしても

自由に生きることは自分の課題であり、
批判することは相手の課題です。

 

相手が怒っていたとしても、

「怒る」という選択は
相手の課題であって
自分の課題ではありません。

課題の分離の考え方を採用することで、
他人の問題を自分が背負うことなく
自由に生きることができます。

課題の分離ができておらず、
他人の期待を満たすように生き、
他人中心の人生を送ることは、
自分自身にも、周囲の人に対しても
嘘をつき続ける人生なんですね。

「嫌われたくない」

という気持ちによって

自分の意思や感情を尊重せず
なんとなく相手に合わせる生き方は
無難な人生かもしれませんが、
「自由」を感じることは難しいでしょう。

 

また、課題の分離は決して
自己中心的な生き方ではありません。

「自分」という一個の人格を
しっかりと確立させるのに
必要な考え方なのです。

 

むしろ、

課題の分離ができておらず
他人の課題に踏み込み
相手の人生を支配することの方が
自己中心的な生き方と言えます。

相手の課題に踏み込むというのは、
相手の自由を奪い、自分の思い通りに
コントロールしようとすることなので
これ以上の自己中心はありません。

課題の分離によって、
自分の課題と相手の課題を
明確に区別することは、

「自分の自由」と「相手の自由」

を尊重する行為なのです。

これは冒頭で解説した、

「自由」と「自由の相互承認」の原則

に基づいた生き方と言えるでしょう。

 

 

嫌われる勇気

承認欲求を否定し、
課題の分離を徹底することは、
必ずしもみんなから
好かれる人生ではありません

あなたのことを批判する人も
出てくるでしょう。

TwitterやYouTube、
SNSなどを見ればわかりますが、
どんな人気のある人にも
必ず一定の批判があります。

あなたがあなたの人生を自由に生きるとき
100%全ての人から承認されることは
あり得ません

なので、
自由に生きるということは、

「嫌われる勇気」

がある程度、
必要だということです。

決して「嫌われるべき」だと
いうことではありませんが、

・他人からの批判
・他人から嫌われること
・受け入れられないこと
・承認されないこと

このようなリスクを、
自分らしい自由な生き方をするには
背負う必要があるのです。

 

 

褒めることについて

最後に褒めることについて
お話しします。

褒め教育」は
現代でも注目されることが
多いかと思いますが、
アドラーはこれを否定します。

例えば、
褒められるから、

・勉強を頑張る
・良いことをする

ということは、
裏を返せば、

褒められなければ、

・勉強をしない
・良いこともしない

ということになるからとのこと。

 

アドラー先生
アドラー先生

賞罰教育を受けると、
「他者からの承認」を
中心にした人生となり、
課題の分離ができず
自由に生きることができなくなる・・・

とのことです。

 

しかし、これについては、
疑問の残る主張です。

例えば、
スタンフォード大学の
キャロルドウェック博士によれば、

能力や才能を褒めるのではなく、
努力や工夫」を褒めることで
いろいろなことにチャレンジするようになる

といったことを述べています。

決して、
他人からの評価を気にしすぎるような
苦しい状態に陥ってしまうのではなく、

むしろ自分の成長を純粋に楽しむことが
できるようになると言われています。

アドラーは科学的な
アプローチではないのに対し、
キャロルドウェック博士は
科学的・実証的な研究をされているので
こちらの方が信頼度は高いと言えます。

褒めることに関しては一部、
アドラーの主張に
疑問を感じるところもあるのですが、
それ以外の部分に関しては
生きる上で非常に
参考になるのではないかと思います。

 

繰り返しになりますが、

アドラーは科学的なアプローチというよりも
思想や哲学に近いものがあります。

ですので、
アドラーの主張を鵜呑みにするのではなく、
現代の心理学者が膨大なデータをもとに
実証した研究結果などと
照らし合わせることをしつつ、
総合的に考えることが大切です。

 

 

まとめ

アドラーの主張は非常に明快です。

アドラー先生
アドラー先生

・自由に生きろ!
・人の目は気にするな!
・自分の課題だけに集中しろ!
・他人の課題は無視しろ!

とてもシンプルですが、
私にとって非常に刺さる言葉でした。

 

私たちは生まれ持って、

・他人に好かれたい
・他人から認められたい

といった願望があるので、
自分でも無意識のうちに
承認欲求にとらわれてしまう生き物です。

 

私もこの文章を書きながら、

・自分の好きなことを自由にやるんだ!

という気持ちがある一方で、

・みんなどう思うかなぁ
・批判とか来ないかなぁ

などとビクビクした気持ちもあります(笑)

人間である以上
承認欲求を完全に消すことは
無理だと思いますし、
その必要もないのではないかと思っています。

また、承認欲求を
悪者」と考えるのではなく、

「人からどう思われるかを
 気にしてしまうことが
 あってもいいんだよ。
 だって人間だから(^ ^)」

とアクセプタンスや
セルフコンパッションの考え方を採用し、

あるがままを受け入れつつ
自分自身に優しく接すること

が、現代の心理学から考えて
最も良い対処法なのではないかと思っております。

 

また、アドラー心理学の考え方は
冒頭の方でも述べた、

「自由」と「自由の相互承認」の原則

を実現するための
具体的な知恵だと解釈しています。

私たちにとっての最大の願望は
自由への願望であり、
自分らしく生きたいように
生きられることが、幸せと直結します。

 

そのための具体的な手段として

・承認欲求の否定
・課題の分離

という方法を示してくれたことは
私たちにとって大きな助けになるでしょうし、
実際に助けになったからこそ
嫌われる勇気」はベストセラーと
なったのでしょう。

 

最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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