「食べて祈って恋をして」は楽しかったのですが、いまいちこの映画が何を伝えようとしているのか分りません!誰か解説してください!
今回はジュリアロバーツ主演の「食べて祈って恋をして」を観たので、 コーチング的な観点から解説をしたいと思います。
人生や人間心理を理解する手助けとなりますので最後までお読みください。
目次
①精神的な死と再生
まずこの映画は主人公が離婚をし、そこから自分というものを再構築するために イタリア、インド、バリへと旅をします。
そして、その中で映画のタイトルにもあるように「食べて祈って恋をする」ことを通して自分というものを再構築するという物語です。
まず、主人公は離婚を通して今まで積み上げてきたものが大きく崩れ去ります。それは本人にとって大きな大きなアイデンティティの喪失体験。もっとストレートに言うならば「 精神的な死」を経験したということです。
主人公は調和のとれた状態から、不調和の状態へとなってしまいました。アイデンティティが崩壊し、不調和状態の人は鬱や無気力を経験します。
そして、不調和となってしまった人は、その状態から抜け出そうと新しい調和を作ろうとします。この映画の主人公にとっては、それが海外への旅だったということです。
このようなことは私たちも経験しているはずです。 全員が離婚をするわけでありませんが、アイデンティティの混乱や崩壊というものは、大なり小なりみんなが経験していることと思います。
何を職業とし、何を心のよりどころとして生きるか・・・
こういったものが分からなくなっているタイミングというのが、アイデンティティの混乱期です。私たちは無意識に「過去と現在と未来の自分」が一貫している状態を求めようとします。
過去こういうことをしていたから今の自分があり、そして未来はこのように生きていくだろう・・・・
このような感覚が確かであればあるほどその人のアイデンティティ・自我は良くも悪くも確かなものとなり、精神的にも安定するようになります。
良くも悪くもと言ったのは、安定するのと同時にそれによって人生が固定化されていくという側面もあるからです。
なので、離婚、倒産、絶縁、解雇、天災、などは人生の中の試練でもあるのと同時に、アイデンティティが揺れ動くことで大きな変化をするチャンスでもあるということです。
今回のコロナの問題も多くの人が不安を感じ、先行きの見えない感覚を体験したことと思いますが、まさにこれがアイデンティティの揺らぎなのです。
ピンチはチャンス。短期的に見たら辛いことはたくさんあることと思いますが、変化・進化・成長という意味では素晴らしいチャンスが与えられたとも言えるでしょう。
②環境と人間関係がその人を作る
ではどうすれば、一度崩壊したアイデンティティーを回復することができるでしょうか?
それは、新しい環境と人間関係の中に行くこと。そのために、先ほども述べたように映画の主人公は「イタリア・インド・バリ」へと旅に出るんですね。
そして、主人公は、
このように、 新しい環境と人間関係はその人の思考パターンや思い込みを手放すことにつながります。また誰と関係を深めるかで人生は大きく変わるのです。
なぜかというと、私たちは個人で自立しているように見えて、実は環境の産物だからです。
私たちは関係性によって成り立つ存在なんですね。
私たちの人生が本当に大きく変わる瞬間というのは、新しい環境と人間関係に触れた時だけ。
私たちは一見自分で考えているように見えますが、 その思考のベースは周りからの情報でできています。
私たちは環境の産物です。普段どういう情報を得ているかで、あなたがどういう存在になるかが決まるのです。
「一冊の本が人生を変えた!!」というのはまさにそれです。私たちは周囲の情報の産物なのです。
そういう意味で主人公が、住んでいたニューヨークを離れて、全く体験したことのない新しい環境に飛び込んだのは、「人生を変える」という意味で正解だったと言えるでしょう。
これは私たちが人生を変える上でも非常に大きな参考となります。同じ状況や環境・人間関係の中にいたらなかなか人生を変えるのは難しいでしょう。
どれだけ自力でポジティブになろうと思っても、
・会社が悪い
・上司が悪い
・国が悪い
などと、いつも愚痴や不平不満ばかりを口にしている人たちに囲まれていたら、どうしてもその情報の影響を受けます。
「自力」ももちろん大切ですが、長期的に見ると私たちの人生は環境によって決まります。
なので、
③人生を変えるのは決断
ここまで、人生を変えるのは環境と人間関係という話をしましたが、
同じくらい大切なものは「決断」です。
物語の最後で、主人公は「これは旅行で、しばらくしたらアメリカに戻る」と言ってバリ島で出会った男性と一緒になることを拒んでしまいます。
しかし、
「愛によって一時的にバランスを崩すことは、人生全体でのバランスを取ることじゃ」
という老人の言葉を聞いて、最終的にはバリ島で出会った男性と共に歩むことを「決断」します。
この決断がなければ、主人公はニューヨークに戻り、それまでの人間関係の中でそれまでとは大きくは変わらない生活を送っていた可能性が高かったでしょう。
しかし、バリ島での男性と人生を共にすることを「決断」することで、バリ島に住むか、アメリカとバリを行き来する生活となり、人生は大きく大きく変化しました。
ここから学べることは、私たちは、
だということです。
コーチングの基本でもありますが、私たち人間には現状維持をしたいという強烈な本能があります。
主人公も、バリ島で出会った人と人生を共にするという「決断」をしたら、本当に人生が変わったしまうということに本能的に気づいていたのでしょう。
だから無意識が「 変わらなくてもいい理由」をクリエイティブに思いつき、一度はバリ島の男性を拒絶してしまうのです。
それだけ私たちの現状維持の本能というものは強烈です。心理学のストレスに関する研究でも言われていますが、人間にとって最大のストレスは「変化」なのです。
人生が大きく変わる瞬間というのは、良い・悪いに関わらずその人にとっては大きなストレスとなんですね。
つまり、
ビジネスに当てはめるなら、仕組みを作るために大量に行動し、ホームページも作り、商品・サービスも準備したのに、最後の最後で諦めてしまうということがあります。
あともう少し頑張っていたら大きな成果を出せたのに、ギリギリのところで諦め辞めてしまう・・・
というのは、主人公がバリ島で出会った男性を拒絶してしまうことと本質的には同じです。
大きくビジネスを成功させてしまうと、経済的にも生活的にも大きく変わってしまうのが怖いんですね。
環境と人間関係が人生を変えると言いましたが、それを変えるのもその人の「決断」です。
そして、最後の最後まで変わりきるか、元の状態に戻るかどうかを決めることもその人の「決断」なのです。
私たちの人生には無数の選択肢と可能性がありますが、
99.99%の可能性を絶って、一つに決めることで人生は大きく変わります。
主人公も男性の数は地球上に35億人いたわけですが、
それ以外の可能性を捨てて、たった1人にすると決断することで人生が大きく変わったのです。
ビジネスでも同じです。
・アフィリエイトを極めるのか
・就職するのか
・フリーランスとして生きるのか
・専業主婦として生きるのか
など様々な選択肢がありますが、どれにするかを「決める」と人生は変わります。
成功するか失敗するかどうかは分かりませんが、決めずに迷っていたらどちらの結果を得ることもありません。
主人公も、離婚を「決断」し、旅に出ることを「決断」し、バリの男性と人生を歩むことを「決断」することで人生を変えてきました。
私たちがこの映画から学べることの一つは
「決断が人生を変える」ということなのではないかと思っています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
・環境と人間関係が私たちそのものであること
・決断が人生を変えること
このようなことを解説しました。
「食べて祈って恋をして」は2010年の映画ですが、とても良くできた面白い作品ですので、ぜひご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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