【書評】GIG WORK(ギグワーク) 長倉顕太 著

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今回は長倉顕太さんが書かれた、

GIG WORK(ギグワーク) 組織に殺されず 死ぬまで「時間」も「お金」も自由になる ずるい働き方

を読んだので、印象に残ったところをピックアップしながら解説をします。

最後までお読みいただくことで、

・「就職=正しい働き方」という固定概念を壊せる
・学校教育の洗脳から脱却できる
・具体的なお金の稼ぎ方が分かる

このようなメリットがあるので最後までお読みください。

 

目次

 

GIGWORK(ギグワーク)とは何か?

まずGIGWORK(ギグワーク)とは何か?ということですが、
著者の長倉さんによると・・・

ギグエコノミーとは、 プロジェクトごとに参加したり、空き時間を使って参加したり、様々な形で会社員という形でなく労働することを指すわけ。

例えば、デザイナーとしてあるプロジェクトに参加したり、空き時間を使ってウーバーのドライバーをすることも同じだ。 

とのことです。

正社員として雇用され、

「平日は毎日8時間勤務する」

といった働き方ではなく、
自分の能力やスキルを使って柔軟に働くというものです。

このような働き方は今後ますます注目されるでしょう。

・終身雇用の崩壊
・インターネットによってマッチングが簡単にできる

このような背景があり、
今までの常識は少しずつ変わっていくのではないでしょうか。

アメリカのタクシー会社のウーバーも報酬を巡ってデモを起こされていたりと、
まだまだ問題はありますが、常識は少しずつ変わりつつあると言えるでしょう。

 

 

日本の経済の現状

日本経済の現状についての記述がとても印象的でした。

バブル経済が崩壊してから30年が経ち、多くの数字が日本の衰退を示している。

ある調査によるとこの期間における名目GDPの成長率を見た時に、
アメリカ4倍、イギリス5倍、韓国18倍、中国75倍なのに対して、日本は1.5倍。

失われた20年、30年という言葉がありますが、
あらためて具体的な数字を見ると取り残されている感はありますよね。

物作りの工業中心の時代から、
産業の中心が情報や知識にシフトしているのにも関わらず、
社会システムが何も変わってないのが原因だと著者の長倉さんは述べています。

 

 

日本の公教育の闇

では、社会システムの中でも影響力が大きく、根本的なものは何でしょうか?

 

それは、教育なんですね。

著者の長倉さんも一貫して教育のあり方について批判されています。

特に日本の学校教育は主体性を破壊し、奴隷を作るとのこと。

例えば、

正規雇用が偉いって洗脳は俺たちを奴隷にしたいからなだけ。

何でも言うことを聞く、
何でも言うとおりになる奴隷という生き方を押し付けたいんだ。

俺たちが社会や学校を通していた咳き込まれる基本的な生き方は、
勉強して、偏差値の高い学校行って、大きな会社に入って、
結婚して、子供作って、また、子供を学校に送り出して、
同じ人生を目指させるというもの。

と述べています。

「奴隷」という少し刺激の強い言葉を使っていますが、
概ね私も長倉さんの意見に賛成の立場です。

なぜなら学校教育は基本的に管理教育だからです。

学校が管理者(教師)にとって管理しやすい人を育てる場であるのは、
結局はコントロールしやすい労働者を作りたい
という側面は確実にあるんですね。

権力者側には、

「長時間働き、文句を言わない真面目な労働者」

を増やしたいと意図は少なからずあるということです。

しかし、サラリーマン(労働者)が
一方的に搾取され続ける奴隷かというと、
ここに関しては少し疑問が残ります。

実際に経営者と話をしていると、
むしろ経営者の方がリスクを抱え、
従業員さんの幸せと利益の確保などの間で
日々悩んでおられる姿を何度も見たことがあるからです。

また、株主もラクな仕事に思われがちですが、
出資したお金がなくなるリスク抱えおり、決して甘い世界ではありません。

確かに、
フランスの経済学者トマ・ピケティが言うように、
労働者と資本家の格差が広がっていくという問題はありますが、

だからと言って、

「サラリーマンは搾取されている!!」

というのは、やや極端なような気がします。

一方的に株主や経営者が何もリスクを負うことなく、
甘い汁を吸い続けているわけでは決してないんですね。

 

長倉さんを含め、一部の方々は、

・サラリーマンは奴隷だ
・サラリーマンは搾取されている
・サラリーマンは社畜だ

と言いますが、それはあくまで現実の一解釈にすぎません。

確かにそのような意見は真理を含んでいると思いますが、
そもそも労働者はかなり守られています。

私も25歳で自分でビジネスを立ち上げましたが、
毎月決まった日に決まったお給料が振り込まれる
サラリーマン(労働者)という安定感のある働き方も
悪くないかもなぁと何度も思いました(笑)

「自由」への願望が強い人にとっては
サラリーマン(労働者)という生き方は辛いものがあるでしょう。

しかし、自由になったらなったで
また別の厳しさが待ち構えているわけです。

悪質なブラック企業には気をつけるべきですが、
サラリーマン(労働者)という働き方も
数ある選択肢のうちの1つとしては悪くありません。

なので、選択肢を減らさないためにも、

「サラリーマンは奴隷で一方的に搾取されている」

といった考え方に偏らないようにお気をつけください。

 

 

コンテンツ化する世界

また、コンテンツがいかに私たちに
影響を与えているかという話がこの本で印象的でした。

著者によると人は1日に約9000回の選択を迫られており、
その不安を解消するために常に情報を求めるようになるとのこと。

本にしても、テレビにしても、
インターネットにしてもYouTubeにしても、
これらのものを中毒的に見てしまうのは、
私たちが価値判断をする上の不安を減らしたいからなんですね。

なので、昔からコンテンツを制するものは世界を制するとのこと。

テレビのようなマスメディアが大きな権力を持つことができるのは、
コンテンツ(≒情報)を一方的に多くの人に送ることができるからです。

古い例を出せば、宗教には必ず「教典」というコンテンツがありますよね。

私たちが1つの集団としてまとまり、同じ方向に向くためには、
なんらかのコンテンツが必要だということです。

サピエンス全史・ホモデウスの著者のユヴァル・ノア・ハラリ氏も
人類はストーリーや教えなどの「虚構」によって
1つにまとまったといったことを言っており、
コンテンツが私たちの人生に深く紐づいていることは間違いないでしょう。

 

また、著者の長倉さんによると、

俺は世界最大の宗教は資本主義だと思ってる。
お金を信仰する資本主義という宗教だ。

とこのように述べています。

資本主義とは言い換えれば、「お金主義」なので

お金に価値がある

という内容のコンテンツであり、
宗教と言えるでしょう。

しかし、長倉さんも言っていますが、
お金そのものには価値はありません。

お金には価値があるとみんなが信じているから価値があるということです。

例えば、今の私たちが現金1億円をもらったらすごく嬉しくなりますが、
原始人に渡したとしても焚き火にされてしまうのがオチでしょう。

つまり、私たちにとって価値があるかどうかということは、
事前にどれだけコンテンツ・情報を受け取ったかどうかで決まります。

コンテンツを制するものは世界を制するというのは、
情報を制するものは世界を制するということなのです。

 

 

雇われずに生きる方法

感の良い人ならここまで読むことで、
この本の副題でもある、

組織に殺されず 死ぬまで「時間」も「お金」も自由になる ずるい働き方

とは

コンテンツ(情報)を制しましょう

ということに気づいたかもしれません。

インターネットの出現は人類史上最も大きな革命です。

なぜなら、すでに説明したように、
これだけ影響力の大きい「コンテンツ」というものを
権力側が一方的に送るのではなく、
全員が双方向的に送ることができるからです。

昔はテレビというマスメディアに大きな力がありましたが、
今はツイッターやインスタ、YouTubeといったプラットフォームで
誰もが自由に情報発信をできる時代です。

つまり、誰もがコンテンツを生み出し、
影響力を持つチャンスがある時代だということです。

ギグワーカーといっても、
ただの下請けのような状態になってしまうと
低賃金で長時間労働を余儀なくされるかもしれません。

しかし、しっかりと心を込めて情報発信をし
日々コンテンツを作り続けることで、
自分の強みや個性を最大限生かして仕事ができる時代です。

また、高度なコンテンツ(情報)を理解し、
他の人にはできない付加価値を創出すればするほど
受け取ることのできるお金も多くなるということです。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

この本は語り口調で書かれており、
非常にわかりやすく面白い本だと思います。

ただ、サラリーマン(労働者)として働くことのデメリットばかりが強調され、
フリーで働くことのメリットばかりが強調されているようにも感じるので、
その点にだけ気をつければ、非常に良い本だと思います。

 

また、著者の長倉さんは認知科学者・コーチの
苫米地英人博士とも仕事をされており、
苫米地博士の影響をかなり受けているように感じました。

長倉さんの本に興味を持った方は苫米地博士の著書もおすすめです。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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