情熱こそ成功の秘訣【感想】実践版GRITやり抜く力を手に入れる/キャロラインミラー著

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結局、成功したり結果を出すのに
一番大切な能力ってなんなのでしょうか?
自己啓発とかではなくて、心理学者は何て言ってますか?

 

今回は、世界で初めてポジティブ心理学の学位を取得したとも言われる、米国のパフォーマンスコーチ・キャロライン・アダムス・ミラーが書いた、「実践版グリット」を読んだのでその感想と概要を共有します。

 

・立てた目標を達成できるようになりたい
・粘り強く目標達成できるようになりたい
・幸せと成功の両方を手にしたい
・科学的根拠に基づく信頼できる情報を得たい

このように思っている方にとって役立つ内容ですのでぜひ最後までお読みください。

 

 

目次

 

 

 

①何が成功を決定づけるか?

この本のテーマはGRIT(やり抜く力)。

GRITは様々な厳しい状況の中で、最後までやりぬくことができるかどうかを予測することができます。

例えば、

・男性が結婚生活を続けられるかどうか
・スラム地区の高校生が卒業できるかどうか
・どの士官候補生が特殊作戦部隊に起用されるか
・経済的に恵まれない学生が大学を卒業できるかどうか

このようなことをGRITによってあらかじめ予測することができます。

本書によるとGRITの定義は、

「高い目標に対する情熱的な追求であり、周囲の人の畏敬の念を引き起こし、よりよい人間へと成長し、精神的な持続的幸福を獲得し、ポジティブなリスクを冒し、最高の人生を送りたいというモチベーションを引き出すもの」

【引用】実践版GRIT やり抜く力を手に入れる/キャロライン・アダムス・ミラー著

 

とあり、まさに私たちが人生で最も身につけるべき能力の一つと言えるでしょう。

注目すべき点は、「周囲の人の畏敬の念を引き起こす」「よりよい人間へと成長する」「持続的幸福」といったところだと思います。

ただ単に、

「金持ちになる!」「成功して有名になる!」

といったエゴを助長させるような生き方ではありません。

自分の内面が深く満足して幸せであるのと同時に、利他的な生き方でもあるのです。

 

また、GRITを持つ人の共通の特徴は・・・

「情熱・粘り強さ・長期的目標」

この3つです。

時に現実離れしていると思われることもあるような、全身が震えるような感動と大きなエネルギーにつながる目標に身を捧げ、内面から輝きを放ち、決して諦めることなく生きるということです。

またこの本では、この夢のような能力GRIT」を後からでも手に入れることができるといいます。もちろん手に入れることができれば、自由自在にすべてをコントロールできるわけではありません。

思っただけで目的が達成できるとか、 強く信じれば自動的に夢は叶うといった、そのような都合のよいものではありません。

あくまで科学的な調査に基づいた、人がよりよく生きる(Well-Being)ことの核になるものだと捉えるといいでしょう。

 

 

 

②GRITと誠実性

初めてGRITについて知った時、

心理テストBIG5の「誠実性(勤勉性)」と同じなのでは?

と思ったのですが、 どうやらGRITと誠実性は明確に違うようです

誠実性(勤勉性)とは自分を律する力であったり、自分で決めた約束を守り抜く力です。この能力は 社会成功のための万能能力とも言われており、誠実性のスコアと社会的な地位や年収には関係があると言われています。

確かに勤勉にやり抜く部分では似ていますが、誠実性には魂が燃えるような感覚はありません。

GRITは全身が震え、魂が燃え上がるような情熱があります。

情熱がなければ、大きな困難にぶつかったときすぐに諦めてしまうのでGRITを持つことは大切なのです。つまり、誠実性だけでは人生を大きく変えるような困難かつ意義深い目標を長年にわたって追求することはできないということです。

誠実性(勤勉性)は大切な能力ではありますが、他人に押し付けられた偽物の目標に対してもコツコツと努力することができてしまうので注意が必要です。

真面目でコツコツ頑張れる人がみんな幸せそうかというとそうではありませんよね?

あくまで GRITは本人に強い主体性や喜びがあることが大前提です。

日本人はコツコツした真面目な努力家が多いので誠実性のスコアは高いかもしれません。しかし、内なる情熱に従って生きている人は少ないので、GRITのスコアの平均はそれほど高くないでしょう。

これは個人の幸福を考えても、日本の経済を考えても大きな損失です。

日本では教育の中で誠実性(勤勉性)を育む機会はあっても、GRITを育む機会は少ないように思います。

今後の教育はいかに一人一人のGRITを育んでいくかが大切なテーマとなるでしょう。

 

 

 

③GRITを奪い取る方法

情熱がなく、すぐに諦め、短期的な快楽に溺れてしまうようなGRITを奪う恐ろしい方法があります。

それは、

「適切なフィードバックもせずひたすら褒め続け、
 何もチャレンジさせないこと」

これをすると、GRITを奪い取ることができます。

本書によると、1980-2000年頃に「自尊心教育」という大失敗に終わった教育がありました。点数が良くても悪くてもみんなAランクが貰えたりするような状況だったとのことです。元々は主体性や自尊心を高めることが目的だったそうなのですが、実際にはその逆のことが起きてしまったのです。

私たちは適度なストレスがあり、難しいことを達成することで幸せになり本物の自信を育むことができます。

競争が行きすぎることには注意が必要ですが、適切な他人との比較やフィードバックがない状態はよくありません。

適切なストレスは私たちを強く、たくましく成長させてくれます。少し難しい課題に取り組み、それを達成することが私たちにとっての喜びなのです。

ゲームも簡単にクリアできるレベルではすぐに飽きてしまうのと同じで、少し難しめのレベルだとやりがいがあります。

そのためにも現状のあるがままの実力や結果をしっかりと認めることが必要です。
ではどうすれば、現状あるがままの実力や結果を受け入れることができるようになるのでしょうか?

 

 

 

④GRITの高め方

それは、

「成長マインドセット(しなやかマインドセット)」

この言葉が鍵を握っています。

成長マインドセットの反対の言葉は「硬直マインドセット」となるのですが、これは結果を褒められることによって生まれます。

 

「あなたってすごい才能だね」
「あなたって天才だね」

言われると確かに嬉しいですが、言われれば言われるほど「自分が特別」だという感覚が強くなってしまうのです。 そして、 自分は特別だということを「証明」しようとするようになるのです。

結果、あるがままの自分の実力や能力を認めることが難しくなります。

なぜなら、 あるがままの実力が他人よりも劣っていたら

「自分は特別である」「自分は才能がある」というアイデンティティを失ってしまうからです。

 

一方、

成長マインドセットでは「努力」や「工夫」を褒めます。

努力や工夫を通して成長することそのものを楽しむようになるのです。自分は特別だというプライドが少ないので、たとえ現状の能力や実力だそれほど高くなかったとしても、それをあるがままに受け入れることができます。

つまり何か行動した後のフィードバックをきちんと受け取ることができ、その後の改善につなげることができるのです。

 

もう自分の能力や才能を「証明」するために生きるのはやめにしましょう

他人との比較で見上げたり見下したりするような人生は楽しくありません。

そうではなく、

あなたの魂が震えるような、心の底から達成したい目標に向けての
プロセスそのもの」を楽しむ人生にしませんか?

才能や結果にこだわることも必要な場合もありますが、それよりも小さな「努力」や「工夫」の積み重ねを楽しみ続ける人生の方が楽ですし、結果もでやすくなります。

他人に決められた「やらなければならない」ことを 歯を食いしばって頑張るのではなく、

GRITを高めて自分の内なる情熱に従って頑張った方があなたの人生はより豊かで充実したものとなるでしょう。

 

 

【関連】《超重要!!》幸せと成功を両立できるマインドセットはこちら!!(科学的な信頼性あり)

 

 

⑤GRITを高めるエクササイズ

ではどうすればGRITを高めることができるでしょうか?

本の中にはたくさんの方法が紹介されていましたが、その中からひとつだけ今回はご紹介します。

 

《10年後の自分に会いに行くエクササイズ》

✔️ 十年年先の未来の自分を想像し、その姿について1日20分、3日続けて行う
(どこで、誰と、何を、どんな風にしているか?・・・など)
✔️ 3日目最後の文章を書き終えたら、さらに10分ほど使って未来のあなたのことを紹介する文章を書く

研究によるとこれを行うことで・・・

・熱意や楽観性が高まる
・衝突し合う目標が明らかになる
・自分を慈しむ気持ちがでる
・積極的な目標指向の行動を促進する

といったメリットがあることがわかっているとのことです。

 

 

実際にやってみた感想

実際にしっかり時間をとってやってみると、ますます自分の理想の状態を明確に知ることができました。

・自分は何を目指して生きているのか?
・どういう価値観を大切にして生きているのか?

このようなことが明確になった気がします。

あくまで私の感想ではありますが、研究結果で言われていることと照らし合わせてみます。

・熱意や楽観性が高まる
→これは間違いなくありました。自分の人生に目標に対する情熱・GRITがますます高まりました。胸が熱くなるような感覚があり、未来に対してポジティブですごくやる気に満ち溢れているような感覚があります。
・衝突し合う目標が明らかになる
→そもそも衝突し合う目標がなかったので、 ここに関してはよく分かりませんでした。しかし、1回20分を3回という時間を取るので、自分の心の整理がついていない方はうまく整理整頓できるようになるかもしれません。
・自分を慈しむ気持ちがでる
→一回20分を3回というまとまった時間を取ることで、自分自身を大切にするような目標も他者を大切にするような目標も両方ともバランス良く書けたような気がします。無理やり自己犠牲的になって苦しい感じではなく、自分も満たされ他人も満たされているような状態を描くことができ、ますます健康的な自己愛が高まったように感じます。
・積極的な目標指向の行動を促進する
三日目の文章を書き終えた直後にこの感想を書いているのでこれに関してはまだ分かりませんが、具体的な行動に落とし込むたくて仕方ないという衝動があります。 おそらくほとんど誰がやったとしても行動を促進することになるでしょう。

 

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回この記事を書くこと自体が私にとってすごく楽しかったです。

自分の内なる情熱に従って生きていいんだと勇気をもらえたような気がします。

また、少し話は変わりますが、日本ではなかなかポジティブ心理学やGRITを学ぶことができません。私は大学院で臨床心理学を専攻していましたが、 正直このような心理学を学びたかったと思うことがあります。

というのも、今、日本で教えられている心理学の主流は、悩みや苦しみ、精神的な病をいかに克服するかというところに焦点が当てられているので、人がより幸せに豊かに生きることにフォーカスしていません。

 

結果、物事のネガティブな側面にばかり意識が向くようになり精神的に辛くなった時期も経験しました。過去の分析ばかりで心が後ろ向きになり、前向きに明るい世界を描くことが難しくなっていました。

おそらく、大学で心理学を専攻して同じような体験をした方もいるのではないでしょうか?

 

また、一般的な自己啓発書も役立つ面もありますが、うまくいかなかった人のデータを切り捨て、うまくいった人のデータだけを持ってきて、

これが成功法則だ!

と言う傾向が自己啓発業界ではあります。それで人生が良くなる方も一定数いるとは思いますが、 科学的根拠に基づけば基づくほど、うまくいく人の割合が増えるのです。

科学万能主義に陥ることも危険ではありますが、たった1500円くらいでこのような価値ある本を読める今の時代は本当にありがたいです。

今回、紹介したのはあくまで本のごくごく一部分に過ぎません。エピソードの紹介が少し長すぎるなと感じることもありましたが、それを差し引いてもとても良い本ですのでぜひ一度手にとってみてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

【関連】GRIT(やり抜く力)の12問チェックテストはこちら!!

 

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