「嫌われる勇気」を読んだのですが、
ぜんぜん理解できませんでした!!
分かりやすく解説してください!
嫌われる勇気の解説第3弾。
前回は劣等感が中心でしたが、
この考え方を知るだけでも
人生はシンプルで楽になりますので、
ぜひ最後までお読みいただけたら幸いです。
目次
自由
まず、アドラーの主張を解説する前に
簡単に「自由」について説明します。
アドラーではないのですが、
日本の哲学者、
苫野一徳先生が繰り返し述べている
が分かると今回のアドラーの話しも
理解しやすくなるかと思いますので
簡単にご説明します。
つまり、
「人は生きたいように生きたい」
という願望を
持っているということです。
これについて、
異論のある方は
いないのではないでしょうか。
戦争や侵略などを通して
財産や領土を奪うのも
生きたいように生きた結果です。
また、いじめやケンカ、暴力なども
自分の自由を実現するための
手段と言えるでしょう。
ですので、自由だけだと
この世界はカオスなままであり
平和が訪れる事はありません。
つまり、
お互いに尊重し合う
ということが必要だということです。
そうすることで、
個人の自由と平和を
共存させることができるのです。
これは苫野先生が
独自に考えたものではなく、
哲学の長い歴史を通して出された
原理・原則であるとのこと。
もちろんこの考え方には
批判もあるかもしれませんが、
とシンプルに考えています。
では、
「生きたいように生きる」
という自由を実現するためには
どうすればいいでしょうか?
その具体的な方法をアドラーは
・承認欲求の否定
・課題の分離
というシンプルな言葉で
分かりやすく示してくれているので
解説していきたいと思います。
承認欲求の否定
アドラーは、
他者から承認を
求めることを否定しています。
私たちは他人の期待を
満たすために生きているのでないと・・・
他人からの承認を求め、
それが人生の中心になると
それは「自分の人生」ではなく
「他人の人生」を生きることになるからです。
世間体や見栄を
中心に生きている人は、
「他人からどう思われるか?」
を中心に生きていて、
「自分がどう生きたいか?」
ということを中心に生きられていません。
つまり、
「自分の生きたいように生きる」
ということができていないわけです。
その結果、何が生まれるかというと
多くの人が感じている「閉塞感」。
それによるストレスが蓄積すると
他人の自由をも奪うという
悪循環が出来上がるのです。
日本は「恥の文化」とも
言われることがあり、
他の民族に比べて
「他人からどう思われるか」
を過剰に気にする傾向があるので、
承認欲求が消せずに悩んでいる方は
多いのではないかと思います。
だからこそ、
「承認欲求を否定せよ」
とアドラーは言いますが、
「じゃあ、どうすればいいんだよ!」
と疑問を持った方も
いるのではないかと思います。
そこで、アドラーは
「課題の分離」
という言葉を使って
具体的な解決策を準備してくれています。
課題の分離
アドラーによると、
「課題の分離」が出来ていれば
承認欲求の問題を克服し
自由に生きることができる
と言います。
全ての悩みは対人関係の問題であり、
そして対人関係のトラブルは全て、
・他人の課題に土足で踏み込むこと
・自分の課題に土足で踏み込まれること
によって起きるとのこと。
例えば、
・仕事を決める
・結婚相手を決める
・人生の目標を決める
こういったことは全て
こういった、
自分自身が向き合わなくては
ならない課題に、
世の親は、
・あなたのことが心配だから
・あなたのことを思って言っている
・あなたのために言っている
などと言いますが、
・ああした方がいいよ
・こうした方がいいんじゃない?
などと、
子を想う愛情深い親のつもりでも
実際には子どもの課題に割り込み、
子どもの自主性や自立を
破壊しているにすぎないわけです。
では、どうすればいいかと言うと、
自分だけの課題に集中し、
他人の課題は一切切り捨てること
とアドラーは言います。
このように言うと
冷たい印象を
受けるかもしれませんが、
この考え方を実践することで
あなたが自由に生きた結果、
相手があなたを批判してきたとしても
相手が怒っていたとしても、
課題の分離の考え方を採用することで、
他人の問題を自分が背負うことなく
自由に生きることができます。
課題の分離ができておらず、
他人の期待を満たすように生き、
他人中心の人生を送ることは、
自分自身にも、周囲の人に対しても
嘘をつき続ける人生なんですね。
「嫌われたくない」
という気持ちによって
また、課題の分離は決して
自己中心的な生き方ではありません。
むしろ、
相手の課題に踏み込むというのは、
相手の自由を奪い、自分の思い通りに
コントロールしようとすることなので
これ以上の自己中心はありません。
課題の分離によって、
自分の課題と相手の課題を
明確に区別することは、
を尊重する行為なのです。
これは冒頭で解説した、
に基づいた生き方と言えるでしょう。
嫌われる勇気
あなたのことを批判する人も
出てくるでしょう。
TwitterやYouTube、
SNSなどを見ればわかりますが、
どんな人気のある人にも
必ず一定の批判があります。
あなたがあなたの人生を自由に生きるとき
100%全ての人から承認されることは
あり得ません。
なので、
自由に生きるということは、
「嫌われる勇気」
がある程度、
必要だということです。
決して「嫌われるべき」だと
いうことではありませんが、
・他人から嫌われること
・受け入れられないこと
・承認されないこと
このようなリスクを、
自分らしい自由な生き方をするには
背負う必要があるのです。
褒めることについて
最後に褒めることについて
お話しします。
「褒め教育」は
現代でも注目されることが
多いかと思いますが、
アドラーはこれを否定します。
例えば、
褒められるから、
ということは、
裏を返せば、
褒められなければ、
ということになるからとのこと。
賞罰教育を受けると、
「他者からの承認」を
中心にした人生となり、
課題の分離ができず
自由に生きることができなくなる・・・
とのことです。
しかし、これについては、
疑問の残る主張です。
例えば、
スタンフォード大学の
キャロルドウェック博士によれば、
能力や才能を褒めるのではなく、
「努力や工夫」を褒めることで
いろいろなことにチャレンジするようになる
といったことを述べています。
決して、
他人からの評価を気にしすぎるような
苦しい状態に陥ってしまうのではなく、
アドラーは科学的な
アプローチではないのに対し、
キャロルドウェック博士は
科学的・実証的な研究をされているので
こちらの方が信頼度は高いと言えます。
褒めることに関しては一部、
アドラーの主張に
疑問を感じるところもあるのですが、
それ以外の部分に関しては
生きる上で非常に
参考になるのではないかと思います。
繰り返しになりますが、
ですので、
アドラーの主張を鵜呑みにするのではなく、
現代の心理学者が膨大なデータをもとに
実証した研究結果などと
照らし合わせることをしつつ、
総合的に考えることが大切です。
まとめ
アドラーの主張は非常に明快です。
・自由に生きろ!
・人の目は気にするな!
・自分の課題だけに集中しろ!
・他人の課題は無視しろ!
とてもシンプルですが、
私にとって非常に刺さる言葉でした。
私たちは生まれ持って、
・他人に好かれたい
・他人から認められたい
といった願望があるので、
自分でも無意識のうちに
承認欲求にとらわれてしまう生き物です。
私もこの文章を書きながら、
・自分の好きなことを自由にやるんだ!
という気持ちがある一方で、
・批判とか来ないかなぁ
などとビクビクした気持ちもあります(笑)
人間である以上
承認欲求を完全に消すことは
無理だと思いますし、
その必要もないのではないかと思っています。
また、承認欲求を
「悪者」と考えるのではなく、
「人からどう思われるかを
気にしてしまうことが
あってもいいんだよ。
だって人間だから(^ ^)」
とアクセプタンスや
セルフコンパッションの考え方を採用し、
が、現代の心理学から考えて
最も良い対処法なのではないかと思っております。
また、アドラー心理学の考え方は
冒頭の方でも述べた、
を実現するための
具体的な知恵だと解釈しています。
そのための具体的な手段として
・課題の分離
という方法を示してくれたことは
私たちにとって大きな助けになるでしょうし、
実際に助けになったからこそ
「嫌われる勇気」はベストセラーと
なったのでしょう。
最後までお読みいただき
ありがとうございます。
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