今回は、
作業療法士の菅原洋平 先生が書かれた、
を読んだので印象に残ったところをピックアップしながら解説します。
まず、作業療法士とはリハビリテーションの専門家で、
人間の脳や体の力を最大限に引き出して、
その人がやりたいことをできるようにサポートする仕事です。
著者の菅原先生は精神科病院などでの
リハビリテーションの経験や医学的知識を応用して、
といったことを本書の中で教えてくださっています。
・すぐに行動できない
・悪い習慣をやめられない
・やった方がいいとわかっていてもできない
このような悩みを持っている方にオススメです。
ぜひ最後までお読みください。
目次
①やる気に頼らない
「すぐやる!」
「すぐ行動する!」
というと、
ということになりがちですが、
著者の菅原さんはそうではないといいます。
例えば、
ある患者さんは、自分で食事をすることができませんでした。
脳に損傷はあるものの、手も動くし、食事をする能力自体がある。
でも、食事を出されても自分では食べないのです。ところがあるとき、少し食事の方法を変えたら、その状況は一変しました。
【引用】すぐやる!「行動力」を高める”科学的な”方法 / 菅原洋平 著
とあります。
何を変えたかというと、
「食事の出し方」
だけだったとのこと。
一つのトレーにいくつものお皿があるのではなく、
コース料理のように一品ずつだすことで
自然と食べられるようになったとのことです。
これはあくまで一例ですが、
「脳に入る情報」を変えるだけで
人の行動が変わるということもあるのです。
この考え方は非常に重要。
一般的に私たちは、
「自分で自分をコントロールしている」
という前提で物事を考えがちです。
それはそれで正しいのですが、
その反対の、
という考え方も取り入れることで
私たちは本当に自分を変えることができます。
「やる気」「モチベーション」
といった考え方も大切ではありますが、
それはコインの片面にすぎません。
自力で行動を変えようと思っていた方は
ぜひ「環境の力に頼る」という発想も大切になさってください。
②すぐやるために最も大切なこと
質問です。
・6時に起きる人なら10時
・7時に起きる人なら11時
・8時に起きる人なら12時
この時間にスッキリ冴えていなければ、
睡眠不足か睡眠の質が悪いです。
睡眠が上手く取れていなければ、
脳のパフォーマンスが下がり
「すぐやる人」になることはできません。
あなたが頑張るのではなく、
脳が動きやすい状態を作ることが大切なのです。
脳が動きやすい状態を作るためにも
脳を休ませる必要がありますが、
その具体的な方法として
「目を閉じる」ことが役立つとのこと。
菅原さんによると・・・
眠くない時間帯に一度、脳に休息を取らせてあげましょう。
脳は視覚を遮断しないと休息できない内蔵なので、
「目を閉じること」が不可欠です。【引用】すぐやる!「行動力」を高める”科学的な”方法 / 菅原洋平 著
と述べています。
本当に私たちの人生を変えてくれるような
役に立つ知識というのはこういったシンプルなものなんですね。
私もかつて大学院という場所で学んでいましたが、
複雑な知識は余計に思考を複雑にするだけで、
本当に人生を変えるのには役立たないことが多いように思います。
ぜひこのシンプルな、
「目を閉じる」
ことで、あなたの脳を効率よく休ませてくださいね。
③情報を遮断する
本当は見るつもりじゃなかったのに
テレビを何時間もだらだらと見てしまった・・・
このような経験は誰もがあるのではないでしょうか。
そもそも、なぜ「見よう!」と意図していないのに
このようなことが起きるのでしょうか?
それは、テレビやリモコンという「情報」を見てしまったからです。
テレビやリモコンという情報を見てしまったがために、
無意識・自動的にテレビをダラダラみてしまうのです。
菅原さんによれば、
テーブルの上のリモコンが目に入って、
自動的に手を伸ばす時、脳にはあるシステムが働いています。
大脳の中心部分にある「大脳基底核」という部分が担う、
「モデルフリーシステム」と呼ばれるシステムです。【引用】すぐやる!「行動力」を高める”科学的な”方法 / 菅原洋平 著
つまり、何か情報を手にすると基本的には行動したくなるのです。
・目の前にゲームがあったらやろうとします
・目の前に雑誌があったら読もうとします
基本的には外部からの情報に反応している生き物なんですね。
このように言うと、
私はそんな本能に流されることはありません。
目の前にお菓子があったとしても私は我慢できます。
このように思われた方もいるでしょう。
このようなことができるのは
つまり、
本能的・無意識的に行動しようとする
大脳基底核による「モデルフリーシステム」
「モデルベースシステム」で吟味する
この2つの働きがあるとのことです。
ここで大切なのは、何らかの刺激を目に入れた瞬間に、
脳の中でエネルギーを使い始めてしまうということ。
菅原さんによると、
私たちが何かを見たときはいつも、
脳内では「やるかやらないか」「手を伸ばすか伸ばさないか」という
せめぎ合いが起こっているといえます。買い物中に、
気になる商品を手にとっては考えて棚に戻す、
ということがありますが、
それと同様のことが、無意識の脳内で行われているのです。【引用】すぐやる!「行動力」を高める”科学的な”方法 / 菅原洋平 著
このように述べています。
つまり私たちが脳のエネルギーを無駄に消耗しないためには、
余計なものを見ないことが大切なのです。
テレビを見ないようにするためには
リモコンを見えない場所に置いておくことが大切なのです。
他にも、
・PCモニターはこまめにオフにする
・カフェでスマホを出さない
・TO DOを付箋に書き出すのをやめる
といったことがおすすめとのこと。
④「好き」は妄想
二度寝をして罪悪感を感じているけど、
「寝るのが好き」だからまぁいいか
お菓子を食べ過ぎて罪悪感を感じているけど
「お菓子が好き」だからまぁいいか
インターネットをやりすぎて罪悪感を感じているけど
「インターネットが好き」だからまぁいいか
でも実は、あなたが「好き」だと思っている感情は幻です。
著者によると・・・
罪悪感を持つと、「両側内側前頭葉」という部位が活性化します。
この両側内側前頭葉という部位には、期待感を作る「ドーパミン」をキャッチする受容体が多く分布しているため、期待感が高まります。「罪悪感を抱いたのに、脳内では期待感が高まる」
というのは、ちょっとおかしな感じがするかもしれませんね。
でも、誰の脳もそういう仕組みになっています。では、罪悪感も高まったのは何に期待するでしょうか。
それは、「罪悪感のあとにあなたがとる行動」です。
あなたが罪悪感に基づいてとる行動を「とても価値あるものだ」と評価します。【引用】すぐやる!「行動力」を高める”科学的な”方法 / 菅原洋平 著
恐ろしい事実ですよね。
・だらだらゲームをしてしまう
といった「やめたいのにやめられない」
という現象がなぜ起こるのかが明確にわかったような気がしました。
この悪循環を抜け出すためには、
先に説明したように、
が大切です。
・寝るときはスマホを別の部屋に置く
・ゲームをやったら押入れにしまう
といったことをするだけで、
誘惑も罪悪感も起こりにくくなります。
⑤脳と行動を変える方法
私たちが自分を変えるためには、
大きく変えるのではなく小さく変えることが大切です。
私たちにはホメオスタシスといって
現状を維持しようとする本能があります。
そのため、大きく変わろうとすると
心と体が抵抗しようとするのです。
そうすることで確実に変化することができます。
このことを心理学やリハビリテーションの世界では
「スモールステップ」と言ったりしますが、
著者によれば、
この学習法は、
脳治療の世界では「エラーレス(誤りなし)学習」と呼ばれ、
手術後のリハビリテーションではもちろん、
教育現場や人材開発など、様々な場面で活用されています。【引用】すぐやる!「行動力」を高める”科学的な”方法 / 菅原洋平 著
とのことです。
新しい習慣や行動パターンを身につけるのは一つの技術です。
「スモールステップ」
をマスターして素晴らしい人生を創造なさって下さいね。
⑥脳の慢性疲労を防ぐ
最後に、慢性疲労を防ぐコツをお伝えします。
著者によると、
「何も考えずにできること」は極力毎日同じルーチンにすること。
「やらなくても困らないこと」はあえてやらずに済ませること。
「やるべきこと」にしっかり注力するためには、
この”省エネ戦略”が不可欠です。省エネ戦略のキーワードは「いつも通り」です。
【引用】すぐやる!「行動力」を高める”科学的な”方法 / 菅原洋平 著
とのことです。
私たちの体というのは、深部感覚と言って
筋肉からの微妙な情報を脳に送っています。
小さな変化があると、
それに伴う深部感覚の変化を脳に伝えてしまい、
それだけでエネルギーを消耗してしまうのです。
なので、
・いつもの服装
・いつものルート
など、
とにかくあらゆることをルーチン化してしまい
無駄に脳を消耗させないように気をつけましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
私の知る限り、最も確実な成功法則は
「先延ばしにせず、やるべきことをすぐやること」
だと思います。
人生というのは究極、行動の積み重ねによってできています。
それがこの本のテーマでした。
今回の内容を簡単にまとめると、
このようなことをお伝えさせていただきました。
今回紹介した内容は、本書に書かれている内容のごく一部です。
リハビリテーションの専門家によって書かれた
非常に役立つ本ですのでぜひ一度手に取ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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