【書評】宇宙方程式の研究: 小林正観の不思議な世界 小林正観 / 山平松生 著

原始仏教・マインドフルネス
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今回は、

宇宙方程式の研究: 小林正観の不思議な世界 小林正観 / 山平松生 著

を読んだので、印象に残ったところをピックアップしながら解説をします。

 

最後までお読みいただくことで、

・幸せに生きる方法がわかる
・悟りの意味がわかる
・潜在能力を引き出すための方法がわかる

このようなメリットがありますのでぜひ最後までお読みください。

 

目次

 

①この世の真理

原始仏教や認知心理学でも
同じ結論になっていますが、

小林さんによれば、

「不幸や悲劇は存在しない。そう思う心があるだけ」

とのこと。

もともとはフランスのある思想家の一節だそうですが、
小林さんが多くの人達の悩みや相談事を受ける際に、
この言葉をよく引用していたとのことです。

短い言葉ですが非常に真理を含んでいると思います。

 

あなたはどう感じられたでしょうか?

心理学的に解説をすると、

出来事 → 心 → 反応

このようになります。

基本的な考え方は、
出来事は中立で良いも悪いもありません。

しかし「心」というフィルターが情報処理をし、
そして「良い・悪い」といった反応が生まれるとされています。

悩みや苦しみの多い人は「心」が極端な情報処理をします。

「100%良い、100%悪い」といった
極端な情報処理をすることで
非常に浮き沈みの激しい人生となるのです。

いわゆる「白黒反応」という状態に陥るとき
人は苦しみを引きずってしまうと言われています。

このような状態を改善するためには、
物事を白黒ではなく、
その間の「グレー」を見られるようにすることが大切です。

そうすることで悩みや苦しみがなくなるか、
大幅に減ることが証明されています。

 

ここでもう一度、先ほどの言葉を見ていきましょう。

「不幸や悲劇は存在しない。そう思う心があるだけ

この言葉は心理学の観点から見ても正しいと言えます。

出来事というものは中立なのにも関わらず、
「心」が不幸や悲劇という
「解釈」をしてしまっているに過ぎないのです。

著者の小林正観さんは学者ではありませんが、
仰っていることのほとんどが
心理学の観点から見ても正しいのでとても参考になります。

 

 

②悟りの意味

「悟り」という言葉は様々な解釈がありますが、
小林さんが非常にわかりやすく説明してくださっています。

悟りというのは三秒でできます。
一秒目は過去のすべてを受け入れること。
二秒目は現在のすべてを受け入れること。
三秒目は未来のすべてを受け入れること。

「悟り」とは「受け入れること」なんです。

受け入れた瞬間に、
どうしようと思っていたその子の問題が、
一挙に消えてしまったのです。

目の前に立ちふさがっていた壁を
どう乗り越えるかという問題ではなく、
壁自体がなくなったんです。

この子はこの子でいいと思った瞬間に
「悟る」ことができました。

【引用】宇宙方程式の研究: 小林正観の不思議な世界 小林正観 / 山平松生 著

このように述べています。

この引用の最後に出てくる「この子」とは
小林さんの娘で、知恵遅れの障害児の慶子さんのこと。

小林さんにとっても慶子さんが生まれた最初
は動揺があったとのことでしたが、

「不幸や悲劇は存在しない。そう思う心があるだけ」

という言葉をあらためて思い出すことで、
あるがままを受け入れることができるようになったとのことです。

 

私たちは、今起きている問題に対して

・抵抗
・反発

すればするほど問題が大きくなります。

泥沼の中でもがくことで、
ますます沈んでいくような感じです。

そうではなく、

「起きてしまった出来事を
 いい意味で諦め受け入れること」

ができれば私たちは「悟る」ことができ、
悩みや苦しみを大きく減らすことができるのです。

 

 

③人と比べない生き方

また、娘の慶子さんに関することで、
印象に残った箇所があるので紹介します。

クラスの成績という観点で言うと、
慶子のようなクラスメイトはいない方がいいのかもしれない。
勉強がはかどるかもしれない。

でも、慶子の存在が、
35人の子供達を限りなく優しい子供達にしたんです。

人間が育っていくというのは、数学、国語だけじゃないんですよね。

(中略)

長女の生き方を見ていると、
速く走るとか人より先にゴールするという価値観がないのです。

足を怪我していたクラスメイトが転倒したら、
戻っていって助け起こす・・・
そんな価値観を誰が教えたのか。

【引用】宇宙方程式の研究: 小林正観の不思議な世界 小林正観 / 山平松生 著

大人になって社会に出ると競争競争で、
人を蹴落とそうとしがちです。

自由競争のおかげで
社会が発展するという側面もあるので
全否定する必要はありませんが、
あまりにも競争の感覚が強くなりすぎると心は歪んでいきます。

ですので、慶子さんの在り方や価値観からは
非常に学ぶべきことが多いと言えるでしょう。

このような感覚は
どれだけ社会の中での競争が激しかったとしても、
絶対に忘れてはいけません。

 

また、小林さんの日本の教育についての
記述が興味深かったので紹介します。

今の教育は比べ合いなんですね。
一人一人をよしとすることではないんですね。

例えば心優しい人がいます。
友達とすごく協調的にやっていくという人がいます。
仲間をうまくまとめみんなを楽しくさせるという
潤滑油のような役目を持っている人がいます。

でもそういうものはいま一切評価されません
学科上の成績が良いかどうかで順番をつけていくのですね。

優しさの子も協調性の子も潤滑油の子も、
そこで何とかしようと思うよりは、
ドロップアウトするんですね。

【引用】宇宙方程式の研究: 小林正観の不思議な世界 小林正観 / 山平松生 著

このようにあります。

とても優しい言葉で日本の学校教育の問題点を指摘されています。

 

何度か私も教育問題については記事にしていますが、

日本の学校教育で健全な人格形成をするのは
非常に難しいのではないかと思っています。

かつてはそれでも経済的な合理性がありましたが、
今後は経済的な合理性もなくなります。

なので、このままの常識が続くなら
日本は心の面でも物質的な面でもどんどん貧しくなっていくでしょう。

小林さんの教育に関する感想は、
穏やかで優しい言葉でありながら
非常に本質をついていると思ったので紹介させていただきました。

 

 

④潜在能力を解放するには

さてここからは、
潜在能力を解放するための方法をご紹介します。

 

5つの「ない」

小林さんによると潜在能力を解放する鍵は、

・怒らない
・腹を立てない
・怒鳴らない
・声を荒げない
・イライラしない

これら5つの「ない」が大切とのこと。

ネガティブな感情が私たちを支配している間は
潜在能力を解放することはできないということです。

 

3つの邪魔をするもの

また、5つの「ない」の実現を
邪魔する三つのものがあると言います。

それは、

・努力する
・頑張る
・必死になる

この3つです。

小林さんによると・・・

・努力する
→MUST、「ねばならない」、語源は奴隷労働
・頑張る
→「我を張る」
・必死になる
→「このままいけば必ず死にます」

このような意味であるとのこと。

私も努力や頑張るという言葉は使いますが、
あまりにも気合が入り過ぎていると
空回りしてしまいますよね。

 

私たちは、

・努力する
・頑張る
・必死になる

このような感覚が強くなりすぎることで、

「邪魔をするな!」

「上手く結果が出ない・・・」

「苦しい・・・」

と怒ったり悩んだりするわけです。

本人としてはそれで潜在能力が
発揮されるような感覚があるかもしれませんが、
実際には緊張があるせいで上手くいかないんですね。

 

「う・た・し」の原

そこで小林さんのオススメは「う・た・し」

つまり、
「嬉しい、楽しい、幸せ」

この3つの状態を人生の基本にすること。

そうすることで、私たちは
潜在能力を存分に発揮することができるといいます。

引き寄せの法則や
スピリチュアルの好きな方であれば、

「波動を高める」

という言葉に置き換えると
しっくりくるかもしれません。

とにかく、
リラックスしていることが大切なんですね。

脳科学の観点から見ても、
私たちの潜在能力に相当する部分は
前頭前野だと考えられるので非常に納得ができます。

なぜなら、前頭前野は
人間らしい高度な機能を司っており、
ここをしっかりと機能させるためには
リラックスしている必要があるからです。

 

また、ハーバード大学のショーン・エイカー氏も、

成功するから幸せになれるのではなく、
幸せだから能力を発揮することができて成功できる

と言っているので、
小林さんの考えは間違いなく正しいでしょう。

 

また、小林さんによると、

「嬉しい・楽しい・幸せ」

の次のレベルは

「ありがとう」

という感謝の気持ちとのこと。

 

小林さんは・・・

不平不満を言うのをやめ、
気分を「う・た・し」に切り替え、
それを持続し、「ありがとう」を唱えること・・・

それによって超能力が開発され、
自分の内に眠っていた未知の力に気づいていく・・・

【引用】宇宙方程式の研究: 小林正観の不思議な世界 小林正観 / 山平松生 著

と述べています。

このような小林さんの主張は
一見オカルトのように聞こえますが、
心理学や脳科学の実証的な研究から見ても
ほぼ正しいのではないかと思っています。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

小林さんの本の良いところは、
難解な仏教の教えなどを
非常にわかりやすく簡潔に教えていただけるところです。

また、現代の心理学や脳科学の観点から見ても
ほぼ正しいことを言われています。

この本の中にはスプーン曲げなど
少し怪しげな話も入っていますが、
それを差し引いてもとても良い本だと思います。

よかったらぜひ一度手に取ってみてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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