毒親とは何か?

毒親
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うちの親は毒親です。
でも冷静に考えると毒親ってそもそも何ですか?
毒親とそうでない親をどう見極めればいいのでしょうか?

正式な心理学用語ではありませんが、
毒親という言葉があります。

Wikipediaには、

毒になる親の略で、
毒と比喩されるような
悪影響を子供に及ぼす親、

子どもが厄介と感じるような
親を指す俗的概念である。

【引用】https://ux.nu/JbDBM

このようにあります。

毒親という言葉は分かりやすく、
親との関係で難しさを感じている方にとっては
使いやすい言葉であるかもしれません。

しかし、「毒親」という言葉は、
親の負の側面にばかり焦点を当て、
ますます関係を悪化させることにも
つながりかねない危険な概念でもあります。

そこで今回は、もう少しバランスのとれた
「毒親」という言葉の解釈を紹介したいと思います。

正直「毒親」という
言葉を取り上げること自体迷いましたが、
バランスのとれた考え方を持つことで
精神的にラクになる方もいるかと思いので
ぜひ最後までお読みください。

 

目次

 

①毒親という言葉の危うさ

まず、毒親という言葉がなぜ危険かと言うと
白黒」になりやすいからです。

 

毒親かそうでないか?

 

といった極端な物の見方に
つながりやすい言葉といえます。

実際に、毒親といっても
様々なレベルがあるはずです。

明らかに毒親と
認定されるケースもあるでしょうし、
毒親と認定されるかどうか
曖昧な場合もあるでしょう。

特に感情的になっていればいるほど、
毒親という言葉を使うことで

ますます極端な考え方になりやすいので
使う頻度は最小限にとどめることをお勧めします。

 

 

②現実療法からみた毒親

毒親という言葉よりも
今回紹介する、
ウィリアム・グラッサー博士の

「現実療法」

での捉え方を採用することをおすすめします。

以下、引用です。

 

現実療法のカウンセリングには3つの前提がある。

1. クライエントが不幸なのは、満足できる人間関係を持っていないからである。

2. クライエントが満足できる人間関係を持っていないのは、どちらかあるいは両方が、関係を改善しようとして、外的コントロール心理学を用いているからである。

3. そのような関係からは苦痛がもたらされるので、どちらかあるいは両方が、相手が用いている外的コントロールから逃れようとしている。

外的コントロール心理学の表れ方は、致命的な7つの習慣となる。

1. 批判する
2. 責める
3. 文句を言う
4. ガミガミ言う
5. 脅す
6. 罰する
7. ほうびで釣る
【引用】https://ux.nu/mTgzJ

 

このようにウィリアム・グラッサー博士は
述べております。

また、外的コントロールの反対の概念として、

1. 傾聴する
2. 支援する
3. 励ます
4. 尊敬する
5. 信頼する
6. 受容する
7. 意見の違いを交渉する
【引用】https://ux.nu/zkVOZ

 

これらを、
身に付けたい7つの習慣」と博士は呼んでいます。

あくまで現実に対する一つの解釈ですが、
私たちの人生や人間関係を考える上で
非常にシンプルで役立つかと思います。

これを毒親の問題に当てはめて考えると、

毒親であればあるほど
「外的コントロール」を用いることが多く、
健全で成熟した親であればあるほど、
「身に付けたい7つの習慣」で
コミュニケーションをしてくれるということになります。

 

 

いかがでしょうか?

あなたの親は、
外的コントロールの多い親でしょうか?

 

それとも、

身に付けたい7つの習慣の方が多いでしょうか?

一人一人置かれている状況は違うと思いますが、
ぜひ、この考え方を親の健康度や成熟度の目安にお使いください。

 

 

③毒親をグラデーションで捉える

ここで大切なことは、

100%「外的コントロール」の親もいなければ、
100%「身に付けたい7つの習慣」の
親もいないということです。

おそらく、神でもない限り、
100%完璧に「身に付けたい7つの習慣」を
マスターしている存在はいません。

私たちは心のどこかで完全に受け止めてくれて、
完全に愛してくれる神のような存在を求めていますが、
親は神ではなく人間なのでそれはあり得ません。

どれだけ成熟した親であったとしても、
必ず少しは外的コントロール
使ってしまうこともあるでしょう。

ですので、毒親というものを
白か黒、0か100かで捉えるのではなく、
グラデーションで捉えてみてください。

・黒に近いグレーなのか
・白に近いグレーなのか
・90点なのか
・30点なのか

繰り返しになりますが、
100%の悪人もいなければ
100%の善人もいません。

完全に真っ黒ということもなければ、
完全に真っ白ということもありません。

100点もなければ
完全に0点ということもないので、
必ずグラデーションで捉えるようになさってください。

 

また、親の養育態度は間違いなく
私たちの心の健康に影響を与えますが、
それだけが要因ではありません。

認知心理学・認知行動療法などで言われていることは、

今持っている、
・認知の歪み(≒偏見)
・極端なものの見方(白黒、0か100か)

などの影響も大きいと言われています。

 

ぜひ、
「外的コントロール」
「身に付けたい7つの習慣」

この二つの考え方と
グラデーションの考え方を組み合わせることで
バランスのとれた状態を目指していただければ幸いです。

 

 

まとめ

今回は、

・毒親という言葉が持つ危険性
・外的コントロール
・身に付けたい7つの習慣
・グラデーション思考

などを紹介しました。

親子関係の問題に悩まれている方にとって
少しでもお役に立てれば幸いです。

 

また、

・現実療法
・外的コントロール
・身に付けたい7つの習慣

の考え方は
もともと毒親に特化した理論ではなく、
幅広く人間関係に応用可能な考え方です。

自分自身が
「外的コントロール」
することもされることもない状態を目指していってください。

そして、
「身に付けたい7つの習慣」
お互いが持っているような
豊かな人間関係が与えられますように。

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

コメント

  1. Yーson より:

    バランスの重要性を認識できました!

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